日本酒ブームが一段楽して久しくなりますが、今、大手メーカーの普通酒はどのように味になっているのか、それをレポートしたいと思いました。
戦後、三造酒(醸造用アルコールで原酒を3倍に薄めて作る酒)が一般的になりすっかり取り残された感の有る日本酒でしたが、「越の寒梅」が注目されたことで地酒ブームが起きました。
しかし、そのブームが一段落した今、各酒造メーカーもいろいろと新しい方向を探して新しい日本酒を開発しているということです。
そういった動きの中、大手メーカーの普通酒は現在どのような味になっているのかという興味が沸いてきました。
私も、普段はこれらの酒を自宅で飲むことはまずなく、居酒屋とかで飲むことがほとんどなんですが、居酒屋で「この酒は、どうこう…」なんて言い出したら、その場で嫌われてしまいますので(笑)今回は自宅でじっくり味わってみることにしました。
はじめにお断りしますが、私はこれらの酒を誹謗、中傷する記事を書くつもりは毛頭ありませんので、その点はご理解をお願いします。
用意したのは、「月桂冠」、「大関」、「松竹梅」(順不同)の3本です。

月桂冠株式会社
まず、口に含んだ第一印象は、アルコール臭が目立つかなということでした。
少し鼻につんとくる感じですね。
味は、辛口。あと、飲んだ後に舌に雑味が残る感じです。
少し出来の荒い感じを受けました。
燗をして飲んでみると、アルコール臭がいっそう強くなる感じ。
日本酒初心者にはちょっと難しいかなという印象を受けました。
肴としては、魚料理、特に刺身系。
濃厚な味のものが合いそうです。とろ、うに、さば。
肉料理では、すき焼き。

大関株式会社
第一印象は、香りがよいですね。
味は、甘口。濃厚な感じの味です。月桂冠、松竹梅と比べると相対する感じの酒です。
肴としては、筑前煮、てんぷら。
明太子、いくら等、卵系のもの。
燗をして飲んでみると、燗上がりのするタイプでいっそうまろやかになる感じでした。

宝酒造株式会社
第一印象は、香りを押さえた感じを受けました。淡麗辛口のタイプです。
ただ、雑味が結構有り、癖が強い感じ。
肴は、刺身系では白身のもの、うなぎ、生牡蠣、あっさりとおしんこ。
さて、これらの酒を飲んでみて、私の感じたことをこれから書きたいを思います。
3社の酒に共通することは、非常に粘膜を刺激する尖った感じがするということでした。
以前よりはよくなってきたとは思うのですが、どうしても雑味が残る感じ。
日本酒というものは、私は元から水の味が酒の味という信念を持っているのですが、これらの酒にはどうしても水の味が浮かんで来ませんでした。
しかし、三造酒の頃に比べれば格段によくなってきてはいると思います。
臭くて、二日酔いのする(これは醸造用アルコールの仕業なんですが)日本酒からは脱皮してきていると思います。
ただ、一般的な日本酒のユーザーを対象とした場合、これらの味を大幅に変えることは商業的なことを考えるとまず難しいのでは。
これが日本酒なのだと信じてる人には、これ以外のものは通用しないということも有ります。
実際、うちの親父とかは、三造酒が日本酒なのだといまだに安い酒を愛飲しています。
それは、自分の今までの思い出とかも微妙に絡んでいるのだと思いますが…
しかし、この伝統が続いていく限り新しい消費者をつかむのは難しいのではと思ってしまいます。
だとすると、今の消費者が年老いてユーザーでなくなっていったとき、どうするのか。
今回のレポートを通じて日本酒ブームが落ち着いた今、これらの大手企業の日本酒にある程度の行き詰まりを感じました。折も折、不景気な今、新しく開発して失敗することも懸念になっているとは思います。
ただ、そのブームのおかげでずいぶんと改善されたとは思いますが…
ある意味では、大企業より小さな蔵のほうがこれから先のことを深刻に考えているのかもしれません。
※今回使用したラベルはいずれも三合瓶の物を使いました。
次回は、また私の好きな地酒をいろいろ紹介する
予定ですのでお楽しみに。
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