土居まさるのラジオで、ひょっこり「ルビーズ」の三枚目のシングル
♪恋のピストル、ババババン♪を聞きビックラこいた68年という話でした。
因みに、そのラジオ番組『G S人気投票』ですが、黒沢進さん(カルトGS研究の
神様みたいな人)の『熱狂GS図鑑』によると、最終投票総数85万2061票
投票総数はともかく、333グループというのが凄いですね。前記の『熱狂GS図鑑』
には自費出版でも何でも、とにかく一枚でもレコードを出した事のあるという
101グループ(それだけでも凄いですよ)が紹介されているのですが、なんとその
三倍以上ものグループがこの世に存在していたというわけですね。きっと、地元の
ジャズ喫茶(死語に等しい言葉ですが、まあ、今で言うライブハウスとクラブを
合わせたようなもので、不良の溜まり場なんて言われてました)の専属バンドなんか
のファンが一生懸命投票したんでしょうね。私の田舎である仙台にも
(通称グラパ、あの491←フオー・ナイン・エースは結成当初何故かそこに出演して
いたとの事)というジャズ喫茶があり、その専属バンドの「タローズ」というバンドが
マイナーレーベルからレコードデビューしてます。ひょっとして300位くらいにランク
インしてたかも・・・。
う−む、また横道の話が長くなってきたぞ。
で、話は急転、33年後になる訳です。目の前にその人がいる訳です。
これはもう感激とか驚きというものを通り越して「不思議な」感じでした。
だって、ついさっきまで、33年間『レコード』の中の人だった人(変な言い方)が
目の前にいる訳ですよ。しかも、♪ババババン、バンバン♪の「ルビーズ」の人
ですよ。
聞きたい事は山はどあるのにすんなり出てこないこのもどかしさ。
でもって、思い付くまま一間一答みたいに話は進んだんですが、まず、山川さんは
一緒にバンドをやっていた立川直樹さん(現評論家・・・当時はミック立川)に誘われ
て「ルビーズ」がメンバーチェンジする時に移籍したとの事でした。
そして、「恋のピストル」のレコーディングになる訳ですが、ここからが黒沢神様で
もご存じない、本人で無いと分からない話。実はあの曲は自分達の演奏では無く、
カラオケがすでにあったとの事。私は「ルビーズ」のレコードの中ではこの曲が、
しょぼいキーボードの音を含めて(…褒め言葉です。なんと言っても当時のG Sの音
のポイントはACEトーン→現ローランドやテスコのテスコード、精々ヤマハの
エレクトーンのピヤ〜という音だと思いますから)
一番GSっぽい曲だと思っていたのでちょいと残念。しかも、そのギタープレヤーが
何と「沢田駿吾←字が不確か」氏だったとの事でした。「沢田駿吾」氏と言えば、
ジャズギタリストとして有名な方で、ギターの教則本なども出している人ですが、
どういう経緯でレコーディングに参加したのかは、山川さんもご存じないとの事。
まあ、すでにこの頃はスタジオミュージシャンという制度(ってのも変な言い方です
が)が定着しっっあった時代だったので、「沢田」氏もバンドマン語で言う
「ショクナイ」→「内職」=「バイト」としてやったのでしょうか?
黒沢 進氏著 「熱狂GS図鑑」
文 写真提供: 秦 義人